今年も暑い夏がやってきましたね。人間も暑いんですが、クルマも暑がってるって知ってました?特に暑いのは勿論エンジン。エンジンの中には潤滑油のエンジン・オイルが入っているわけですが、このエンジン・オイルが最近の傾向として、どんどん柔らかくなってきているのです。
例えば0W-20とかが普通にターボのクルマに入っているわけですが、そもそもオイル自体の性能が上がっている事と、とにかく燃費を稼ぐための一つの大事な手段になっているわけです。このページを見てる人なら、エンジン・オイルはサラサラだと低温でも始動しやすく、なおかつ抵抗が少ないので、燃費も良くなる事はご存知ですよね?でも、その分高温になると、水のようにシャバシャバになり、金属同士の摩擦を潤滑して守るという役割が果たせなくなるのです。
今回、ピストン西沢はホンダの軽自動車N-ONEを使うワンメイク・レース「N-ONEオーナーズカップ」に出場しました!このクルマは、658ccの小さなエンジンから、ターボで過給して64馬力を発生させるが、指定の純正オイルはなんと0W-20だ。それがJC08モードでリッター25.4キロという高い燃費性能を発揮しているのは、間違いないところだが、高い負荷がかかるサーキットではちょっと不安。
何せ少しでも相手より加速したいのに、オイルが柔らかいおかげで、油温が上がり、水温も上がって、制御が入り、パワーを絞るなんていうことになったら、大変だ。壊れる事はないだろうが、エンジンにもいいわけないでしょ?そこで、今回選んだのは少し硬めで高い温度に対応してくれるガルフのARROW GT30 0W-30。
サーキットで乗り比べても、純正0W-20と変わらない加速感。抵抗にはなっていない事を実感して、レースに臨む。レースは残念ながら途中トップに立つものの、守り切れずに2位でゴール。極めてレベルの高い、面白いレースでしたが、悔しいねぇ。ただ、夏の富士スピードウェイを全開で走っても、油温は安定していたようで、制御は入らず、なおかつエンジンの吹けも素晴らしかった!
この話は実はサーキットだけの事ではないのですよ。例えば、山の上に住んでいる、仕事場がある、坂道が多い所に行くなど、サーキットとまでいかなくとも、エンジンを酷使することはよくあります。それからナメられないのは、夏場の渋滞。走ってない分、風がラジエターに当たっていないので、むしろ止まっている方が油温が上がります。ということで、みなさんも夏場は少し硬めのオイルを入れることをオススメします。エンジン全体の温度が高くなってきた時に、守ってくれるのはエンジン・オイルなんですよ!
西沢はかつてレースで、予選が悪かった分、決勝で前に行こうとオイルを柔らかくして走った事があります。純正オイルは10W-40だったのですが、それを0W-30で真夏のレースに出たのです。
結果は、明らかにストレートが速く、15台抜いてトップ5までいったところで、いきなりエンジンの力が無くなりました。最も熱が上がる一番運転席側のシリンダーで、ピストンが溶けたのです。オイルが熱ダレを起こして、潤滑しなくなったからです。
勿論ガルフのオイルではなかったことは、はっきり明記しておきます(笑)みなさんはそんなことのないように、夏のオイル管理はしっかりやっておきましょう!せめてオイルは同じでも、交換するだけでも効果はあるはず!
軽自動車のターボは、エンジンルームが熱がこもるキツキツのものが多く、
エンジン・オイルには気を使いたい。
そこで今回レースに出るにあたって、オイルを少し固めに変更。しかし、それはレースの話だけではないのだ!