メディア対抗4時間レースが今年も行われました。
ガルフオイルは毎年協賛していて、クルマにもこんな感じでロゴが貼ってありますよね。このレールは同じコンディションのクルマで戦うのが趣旨なんで、みんな同じオイルを使います。それどころか、走行距離も車輌によってバラつかないように、マツダが一貫して管理しているほど。これ以外のイベントでは、走らないようにしているわけです。
でも、同じエンジンやタイヤ、足回りが決められているレースでは、オイルは差がつけられる超大事なパーツだって、知ってました?エンジンの中を潤滑する…ということは、エンジンの中のパーツが動くのに絡むわけで、そこで抵抗になるオイルはエンジンの回りが悪くなる=遅くなるわけです。だからなるべく柔らかいオイルを使いたいんですが、無理は禁物。
昔こんな話があったと思ってください。一緒にワンメイクレースやっていたドライバーが、チャンピオンがかかった最終戦に臨んだとき、予選で失敗して15番グリッドくらいまで落ちてしまいました。そこで彼はいつもは10W-30くらいのみんなと同じような粘度のオイルを使っていたのに、勝負で0W-20の柔らかいオイルに入れ替えたんです。するとなんということでしょう!スタートしてすぐ、2~3周で10台くらいぴゅ~っと抜いて、5番手を走っていた西沢のすぐ後ろまで来たんですね。
さすがにチャンピオン候補は速いなぁと感じさせるその走りは、場内放送でもピックアップされ、ピットは盛り上がったそうです。真後ろにつかれたまま、最終コーナーを立ちあがって長いストレートに出てみると、後ろのクルマはあっという間に横に並び、そのままぴゅ~っと前に行くではありませんか!
うわわわわ、真っすぐ速ぁぁぁぁぁ!
そうです。シャバシャバのオイル効果で、エンジンが回りまくったんですね。そのまま、まるで同じエンジンとは思えない加速で3周ほどすると、もうはるか遠くに逝ってしまいました。
しかし、この話はこれで終わらないのです。10周レースの9周目の事、最終コーナーを立ちあがると、例のシャバシャバ君がゆっくり走っているではないですか!レースはそのまま終了し、シャバシャバ君は順位を下げて、チャンピオンも取れずに終わりました。
レース後、エンジンを調べてみると、一番ドライバーに近いシリンダーのピストンが溶けて、ブローしかかっていたそうです。理由はシャバシャバのオイル。フロントから見て、一番奥のシリンダーは熱がこもるので、要注意なんですが、オイルが熱に負けてしまったんですね。確かに速かったけど、これではしょうがないわけです。その話はガルフ・オイルではないので誤解のないように(笑)。
ただガルフのようなレーシングブランドなら、レースに合わせたブレンドも豊富な実戦データから作れるし、無理のない範囲で戦闘力を上げることができるって事です。西沢はガルフオイルと相談しながら、沢山レースをしましたが、問題は出ませんでしたからね。
本当にガルフオイルには順位を上げてもらいました(笑)。
話を戻すと、 今年の4耐は時折降るスコールのおかげで最初の15分でクラッシュがあり、レースは中断。その後3時間の3耐としてスタートし直すという異例の事態になりました。ハンデキャップ4分、予選順位そのままの短縮3時間はいかんともしがたい上、計算してみるとガソリンの量がなんとも半端で、全開にすると足りなく、ゆっくり走って給油をしない作戦では勝てない感じで、結局ほとんどのチームが取った作戦が全開+一回給油。
こうなると813号車は速いです。ピストン西沢がベストタイムを更新しながら、ちぎっては投げちぎっては投げ!ほとんどのクルマを抜いたところで、2番手の高橋滋選手にバトンタッチ。しかし順位はどうがんばっても3周遅れ(笑)。そのまま、8時のゴールを迎え、結果は14位。がんばりましたが、さえない結果。しかし、実は今までの中で最も楽しいレースでしたね。だって、全開ですから(笑)。やっぱりアクセルは一杯踏んでこそ爽快感があるもの。そして3時間の全開に応えるロードスターは素晴らしい。さらにその全開を受け止め、高温になったエンジンを保護し続けたガルフオイルも素晴らしい。
実は最近サーキットから遠ざかっていたのですが、また通いたくなっちゃった今日この頃です。