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カムとバルブリフターの接触面にはエンジンオイルが供給されており、金属同士が直接触れ合うことのないように保護しています。
しかし、長期にエンジンを使用すると、この間が摩耗してクリアランスが増加してしまいます。これを補うために、旧式のエンジン では「バルブクリアランス調整」(別名、タペット調整)をしなければなりませんでした。これでは、あまりに手間と時間(お金も)かかるために考案されたの が「ラッシュアジャスター機構」です。
摩耗した部分のクリアランスを常に理想的に維持することにより、メンテナンスフリー化が実現しました。メカニズムはラッシュア ジャスターの内部にエンジンオイルが入り込み、油圧の力でクリアランスを適切に保つようにしています。油圧を使用する、と言うことは「油圧の安定」がなけ れば正常な作動は期待できません。
よって、ラッシュアジャスター機構を採用しているエンジンには「車両メーカーが指定している粘度」から(5W-30 など)大きく外れない粘度グレードを選定してください。単純には「メーカー指定粘度」に合わせるということです。仮に、メーカー指定の粘度から大きく外れ た場合には、アジャスターが正常に作動しないのはもちろん、最悪ではラッシュアジャスターその物が破損するケースもありますので、充分注意する必要があり ます。
すでに油圧を使用しない「ボールネジ式」のアジャスターが登場しましたので、油圧に頼るアジャスターは過去のものになるかも知れません。