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パワーステアリングとは、エンジンを動力源にしたポンプによりオイルに高い圧力を与え、ステアリングの切られた度合いにより、補助的にその油圧を伝 え、ドライバーの負担を軽減する目的で開発されたものです。発祥の地は安楽な運転を好むアメリカでした。やがて、わが国の自動車メーカーも 1980 年代からさかんに採用し、現在ではかなり高い普及率を誇っており、軽自動車にも必ず装着されている装備となりました。現代では、ほぼ100%装着といって も良いでしょう。
原理は以下のとおりです。
油圧を発生させるためにオイルが必要になりますが、そのオイルには ATF が使用されています。しかし、「パワーステアリング・オイル」と呼ばれたり表示されていますが、正確には「パワーステアリングフルード」と呼ばなくてはなりません。
ATF はシフトチェンジをするために「油圧作動油」としての性能も有しておりますので、油圧を動力源とするパワステに使用にはまことに都合が良いわけです。油圧 作動油は温度差によって粘度変化の少ないことが要求されます。特に車のパワステの場合、寒い時や暑い時でステアリングフィーリングが変化することは好まし くありません。ATF は温度による粘度変化が少なく設計されていますので、パワステへの使用に適しています。車に使用されるオイル類はなるべく種類の少ない方が合理的ですの で、ATF を使用しているわけです。
パワステ用のオイルタンクはエンジンルーム内にありまので、一度キャップを外してオイルの色を確認してみてください。通常の ATF は赤い着色がされている場合が多いですから、パワステタンク内のオイルも赤いはずです。ただし、車両メーカーの純正油は無着色の場合もありますので、この 限りではありません。
ただし、オイルを使用しないモーターの力を利用した「電動式」のパワステもありますので、この場合にはオイルは使用されておりません。