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リーンバーン方式のエンジンはこれから重要視される「超省燃費」エンジンです。「リーンバーン」とは「希薄燃焼」の意味で、理想的な燃料と空気の量(空燃比)の比率を、より空気の量を増やし、ガソリン分を少なくして燃費向上を狙うエンジンです。
すでにトヨタ、日産、三菱、ホンダなど各社からリーンバーンエンジン搭載車の販売も開始され、今後は他のメーカーも同エンジンの開発に力を入れると思われます。
リーンバーンは燃費向上が主目的ですから、エンジンオイル面でも様々な要求事項があります。その中で最も重要な要素に「フリク ション・ロス」の低減。つまり、オイル自身の粘度抵抗を極力少なくして、リーンバーンの持つ省燃費性能を側面から補おうとします。したがって、リーンバー ン用のオイルは粘度の低い(サラサラとした)ものが要求されます。
具体的には「5W-30」「5W-20」「0W-20」が主流となり、事実メーカー指定もこの粘度のオイルになっています。 リーンバーンは新しい技術ですので、まだ発展途上といえます。燃料を少なくする代償としてパワーが出ないなどのデメリットもありますので、あまりスポーツ 走行に適したエンジンではありません。経済性を重要視する業務用の車輌やファミリーカーから普及することでしょう。
しかし、最近では経済運転時には「リーン領域」を積極的に使用して省燃費を、積極運転時には「リッチな混合比」(ガソリン分が多い)を使用して、スポーツ走行も楽しめるエンジンも登場しています。
限られた石油資源を有効に利用する見地から開発されたリーンバーンは、米国の厳しい燃費規制(CAFÉ)をクリアーすることもできる未来指向のエンジンです。
このような世界的規模の環境保護や資源の有効利用の発想はエンジン設計とオイルだけでなく、車両の軽量技術の推進や、より摩擦抵抗の少ないタイヤの研究など様々な分野で開発が進められています。