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現在のCVT(Continuously Variable Transmission)機構に比べて最も優れた方式の変速機構で、現在実用化されているベルト式CVTに替わる「無段変速機」として期待されています。
トロイダルCVTは長期に渡る実験段階を経て1999年秋に日産自動車が3.0Lの「VQ エンジン+ターボ」搭載の「セドリック・グロリア」シリーズに「トロイダルCVT」を組み合わせて発売しました。これは世界初の試みで、日産は独自に「エ クストロイドCVT」と名付けました。メカニズムは、ベルトの代わりに円盤型の「コマ」を使用して、出力側(エンジン)と入力側(駆動系)の直径を連続的 に変化させる機構です。このことを「トラクションドライブ」と呼びます。
コマと出力側及び入力側の各接触面にはオイルが潤滑機能を発揮して金属を保護します。しかし、ただのオイルでは「スベリ」が発生し て伝達効率は良くありません。そこで考え出されたのが「圧力を受けると硬くなるオイル」、つまりオイルが潤滑面にクサビ状に入り込むことにより、円滑な動 力伝達をします。このオイルは別名「トラクションフルード」と呼ばれます。
このオイルは次から次へと新しいオイルに置き替わり、役目を終えたオイル(硬くなっていた)は圧力がなくなることにより、元の流動性を回復します。このオイルはATFの一種に分類されると思われますが、トルコン式ATFと決定的に違う面があります。
このトロイダルCVTは大排気量エンジンにも対応できるところから、大型の乗用車はもちろん、トラックやバスまでの拡大が可能です。 しかし、トランスミッション自体が大きく重い、専用フルードが極めて高価である、などの理由により一般的に広く採用されるには、まだ多くの時間がかかりそ うです。