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自動車技術の発展とともにATFも進化を果たしてまいりました。しかし、より高性能のATFをカーメーカーは望んでいますので、現在判明している範囲で解説します。
世界最大の自動車メーカーGMはATFの代名詞ともいうべき「DEXRON」を所有していますが、現在の「III」よりさらに優れたATF構想を持っています。オイルの特性を要約しますと。
GMはこれらのテーマを1995年3月からスタートさせましたが、規格の変更もあったことから2002年を目標に作業を進めていましたが、2003年から新しいDEXRON(III-H)が登場しました。2005年にはさらに高性能なDEXRON-VIに進化しています。
Ford社も同様の構想を持っており、「BEST IN THE WORLD」を打出しました。このオイルはDEXRON Ⅳとは異なる方向性を示しておりますので、Ford社の規格をクリアーするには合成油の助けを借りて「半合成」になるかも知れません。FordはGMと同 様にやはり「低粘度」のATFを考えています。
一方、いままでATFの規格を独自に定めていなかったChlyslerも2000年には独自の認証システムを取り入れると発表しました。つまり、GMとFord社のような自社のATFブランドを持つわけです。
以前はGM、Fordと別々のATFが現在の「DEXRON-III/ MERCON」に統一されましたが、各社の要求性能を細かく点検しますと、ふたたび別々の道を歩むことになりました。いずれにしてもATFの将来展望は 「地球環境保護」をテーマにして下記のようになります。
省燃費 ・・・・・ ATFの粘度を下げ、オイル自身が抵抗にならないようにする
ロングライフ ・・・・・ ATFのライフを現在の3倍に伸ばし、フルードを無交換にする
AT本体のロングライフ・・・・・ AT機構に使用される様々な素材の再検討
AT本体の小型軽量化と多段化 ・・・・・ 燃費向上
ベルト式CVTへの対応 ・・・・・ ベルト式CVTがやがて世界の主流になる ・・・ ?
AT機構はベルト式CVTが主流となると予想されていますので、多段式用フルードとベルト式CVTフルードはそれぞれ別のオイルとなる見込みです。