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CVTには専用のオイルが指定されていますので、一般に市販されているATFは使用できません。CVTとは「Continuously Variable Transmission」の略で、別名を「無段変速機」と呼ばれ、すでに高効率のATとして注目を集めています。以下、ベルト式CVTについて解説しま す。
発売当初のCVTにはトルクコンバーターがなく、従来のATとは機械そのものの構造もまったく異なるものです。CVTの試作段階では一般のATF(DEXRON)を使用していたようですが、根本的な構造上の違いから専用油が開発され、指定されるようになりました。
CVTのオイル交換は「メーカー純正油」または「CVT 使用可能」と明記されたATFを必ず使用してください。CVT専用オイルは一般のATFの基本性能をそのままに、摩擦特性に変化を持たせた「改良油」だということができます。
CVT オイルは「金属ベルトとプーリーの潤滑」、「プーリーの直径を変化させる油圧作動」を大きな役目としています。ベルトとプーリー間の伝達ロス(すべってし まう)を少なくするために摩擦特性の改善がなされたのです。この間のすべりが多いと発熱、最悪の場合は焼付となりますので、ベルトとプーリー間は滑らない ことを理想としますが若干の滑りは発生しています。
CVT自体は実用化がなされてから歴史も浅く、車両メーカー各社各様の思想もオイルに繁栄されていますので、純正油がやはりベストマッチングするわけです。しかし、最近はオイルメーカー各社からCVTにも対応できるフルードが発売されています。
DEXRON が「II-E」から「III」に移行されたとき、一部のオイルメーカーではCVTにも「使用可能」との宣伝もしているようですけれど、実際には「使える程度」とお考えになった方が賢明です。
今後、CVTはATの主流になる可能性を持った優れた伝達・変速技術ですので、今後の自動車メーカーの動向などを見つめる必要があるでしょう。