最近になり「パワステフルード交換」が新しいビジネスとして登場しつつありますが、近くにショップがなかったり、簡単な作業なのでご自分で交換をしたい、と考えている方に次のようにアドバイスします。
- 新しいフルードを1リットルないしは2リットル用意する。
- 古いフルードを吸い上げるための機具(大きなスポイトなど)を用意する。
- エンジンを始動させ、ステアリングを右または左にフルロックさせる。
- エンジンをかけたまま、パワステフルードタンク内の古いフルードを抜き取る。
- 抜いた量と「同量」の新しいフルードをタンクに注入する。
- 反対方向にステアリングをフルロックする。
- 再度、古いフルードを抜き取り同量の新しいフルードを投入する。
- フルードタンクのキャップに付いているレベルゲージでフルードの量を確認する。
以上で作業が完了しますが、エンジンオイルの交換と違って古いフルードを完全に抜き取ることはできません。これは、車両メー カーがフルードの交換をまったく考慮していないからで、ドレインプラグも付いていないからです。したがって、古いフルードの中に大量の新しいフルードが 入ってきた、と考えてください。
その他の注意事項としては、
- 走行直後の作業は火傷の危険を伴うので避けるか、充分に注意して作業すること。
- タンク内の古いフルードを完全に抜き取るとエアーが混入するので、少し残すこと。
- 作業中に「水」や「ゴミ」がタンク内に入らないように注意すること。
- 新しいフルードの入れすぎに注意し、レベルゲージの量を必ず守ること。
- 最後に、抜き取った古いフルードは法令に従い適切に処理してください。
ワンポイント・アドバイス
パワステ機構の油圧パイプをはずしてのフルード交換作業は絶対にしないでください。ステアリング機構 は「重要保安部品」の一つであり、もし締め付けに問題があった場合は走行中にフルードが漏れ、まったくステアリングを切ることができない(実際にはものす ごく重くなる)状況になりますので、重大事故発生にもつながりたいへん危険です。