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古き良き時代のアメリカ車は排気量も大きく、アメリカン V8 と呼ばれる旧式の OHV エンジンを搭載していました。
古い車のエンジンに共通していえることは、エンジン工作技術が未熟だったために工作精度も現代のエンジンと比較するとはるかにレベルが低いといわざるを得ません。 つまり、工作技術が未熟だったため各部のクリアランスを広くとる必要があったわけです。
したがって、オイルの密封性能も重要な要素となりますので、柔らかいサラサラのオイルでは「圧縮漏れ」を起こしたり、オイルがピストンの隙間から抜けだして燃えてしまうという現象も起こります。
これを防止するためには、低温側粘度と高温側粘度の両方の高いオイルが必要となります。 具体的には 20W-50 等のオイルがお奨めの番手となります。
アメリカの石油会社やオイル会社は必ず 20W-50 を市販しておりますので、わが国ではアメリカ系石油会社の製品を選ぶと良いでしょう。
20W-50 は現在主流のオイルではありません。古い車専用といっても差し支えないでしょう。 同時にメーカーによっては、「レースにも使用できるオイル」として販売している場合もあります。
20W-50 は数字が示すとおり、粘度が比較的高いですから「省燃費オイル」ではありませんし、古い車でも小排気量の車に使用すると多少パワーロス(軽快感がなく重たく感じる)する場合があります。
現代のアメリカ車の品質向上はめざましく、工作精度も向上しており、日本車や欧州車に劣る部分も少なくなっていますので、20W-50 の使用は過去のものとなりつつあります。
すでにアメリカ市場のオイルは「省燃費性能」を重視した 5W-30 などの低粘度油が主流となっています。