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ギヤーオイルの品質を判断する記号として「GL-4」などが親しまれております。この品質基準を定めていたAPIは永年新しい規格を発表しておりません。
しかし、1999年になると「GL-4 Upgrade」を提案しました。このオイルは全世界を対象にした「貨物自動車のシンクロメッシュ機構付き」のマニュアルトランスミッションオイルです。
最近のエンジンオイルは省燃費性能を強く全面に押し出しています。ギヤーオイルもこの思想を取り入れる動きが出ていると同時に「高温耐久性」を要求しています。また、トランスミッションをコンパクトに設計、小型・軽量化の実現も目の前に迫っています。
ミッションが小型になれば必然的にオイル搭載量も減り、オイルは過酷な使用条件下に置かれますので、鉱油よりも高性能を発揮する合成油採用の動きが出ています。よって、今後のギヤーオイルは高温耐久性に有利な「全合成油」に移行してゆくと予測できます。
ヨーロッパではギヤーオイルの最低水準を「GL-4」にすることが決定されましたので、「GL-3」規格油の採用はやがて終息するかも知れません。
現在の最新技術はマニュアルミッションの自動化です。いわゆる「セミAT」と呼ばれるミッションです。トランスミッションそのものは従来型の 「MT」を使用、人間が操作する替わりに機械がシフトを行います。とうぜんクラッチは存在しますが、人の足で操作する必要はなく、機械が断続を司ります。 したがって、「2ペダル」(クラッチペダルがない)になります。
シフトの命令はドライバーがシフトレバー(前後に動かす)やステアリング上に配置された「+」(シフトアップ)「-」(シフトダウン)のスイッ チを押すことにより瞬時にシフトを完了します。また、全自動モードを備えているため完全自動化(AT車と同じ)も可能です。我が国の免許制度では「AT免 許」で運転することができます。
この「AT車」は燃費の向上を最大の目的にしており、普通のMT車よりも燃費が優れています。エンジンの最大効率回転数(燃費の良い)をコンピューターが判断してイージードライブとスポーツドライブを可能にしていますので、車両メーカー各社から発売される可能性が大です。
また、ギヤーの段数を多くする(6速や7速)ことで、より燃費向上を各自動車メーカーは目指しております。大型トラックのミッションはトルコン 式を採用せずに、このシステムに移行する見込みです。この「AT車」のミッションは元々「MT」ですので、特殊なギヤーオイルは必要ありません。