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ギヤーオイルの仲間には水分離性の優れたオイルもありますが、最近の自動車用ギヤーオイルは水と仲良くする(親和性)品質設計を採用していますので、水分離性の優れたギヤーオイルは設計思想が古いか?または、特殊用途(オフロード走行車両)のオイルと推測します。
水分離の設計は簡単にできますが、元々の発想は屋外で使用される場合(雨水が入り込む)を想定しています。特に船舶用や工業用のギヤーオイルにはこの傾向が見られます。
使用環境が悪く、水が入り込んでも「水と油が完全分離」すれば、水は下部に沈殿、オイルは上に浮いた状態となります。ここで、 ドレインを切れば水だけを取り除くことができるのです。自動車用のギヤーオイルでもこの設計思想を取り入れているオイルメーカーもありますが、特殊油と解 釈してください。
一般的なギヤーオイルはたとえ水が進入しても、オイルと混ざり合い「乳化」(エマルション)するように配慮されています。エマルションは安定乳化の状態ですから、水があるもののオイルと仲良くなっており、ギヤー歯の潤滑性能を維持しようとしてあります。
水分離が良いと水に浸かった場所の金属がすぐ錆びてしまいますので、エマルションとなるオイルの方がギヤー歯を錆びさせる程度は少なくなります。
水分離の高いオイルを使うのは、ユーザーの判断に委ねられますがオイル各社から販売されているケースはたいへん少ないのが現状です。
ラリーレイドやオフロード走行競技などには有効かも知れませんが、水抜きをきちんと行うメンテナンス作業が増加します。