みなさまの疑問&質問にニャルフがお答え。
オイルの事を中心に、クルマに関する「あんな事」「こんな事」を掲載中!
お役に立つ情報が満載です。
最近「ボレート系」のギヤーオイルが販売されています。ボレート(BORATE)とはボロンと窒素を反応させたもので、「チッ化ホウ素」ともよばれ、固体潤滑剤の一種です。
今までのギヤーオイルはオイルに添加されたSP系添加剤(イオウとリンの化合物)が金属と反応しながら皮膜を形成してギヤーの歯を保護します。この皮膜はある程度の時間を経過すると消耗してしまいます。
しかし、この皮膜は次から次へと新しいものに置き換えられて保護膜を形成します。この時、ごくわずかの金属分も化学反応の時に消耗します。
通常のギヤーオイルはSP系添加剤による保護皮膜「生成」と「消耗」が繰り返されているわけですので、定期的なオイル交換が必要でした。ボレート系ギヤーオイルは潤滑理論そのものが違います。
ボロンは固体のため原子半径が大きく(球状)、金属同士の接触部分に入り込み「コロ」の原理でスベリを良くします。したがって、次のようなメリットが生まれます。
しかし、メリットだけではなく「合成油に溶けにくい」、「油中に安定的に分散させるのが難しい」ことや、「低温や高温時にオイルが濁る」などの欠点も持っています。