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一般的なバイクは、エンジンとミッションを共用潤滑しているからです。つまり、エンジンもミッションも1つのオイルで済ましているということです。
バイクはまず、軽量コンパクトでなければなりません。このために複雑な要素を避け、できるだけ単純な構造にしているのです。で は、なぜミッションに「ギヤーオイル」を使用せずに「エンジンオイル」を使用するのか? ですが、エンジンオイルもギヤーオイルの性能を有しているからで す。具体的にはギヤーオイルの規格「GL-3」に合格しており、充分にギヤーオイルとしての使用が可能です。ただし、エンジンオイルなら「何でも良い」と いうものではありません。一般的なバイクのクラッチは湿式多板式を使用しており、オイルの中でクラッチが作動しておりますので、4輪車とは根本的にクラッ チの構造が違います。
したがってメーカーの指定したオイルの粘度を守らないと、クラッチの切れ具合が悪化したり、シフトアップやダウンがたいへんし ずらくなる場合があるのです。特に指定された粘度より高い粘度のオイル(10W-40なのに20W-50)を入れた場合にはこの傾向が強く現れますので、 粘度グレードの選定には充分注意してください。
エンジンとミッションを1つのオイルで潤滑しているバイクは、その交換基準もしっかり管理する必要があります。なぜなら、エンジンとミッションの両方でオイルは痛めつけられるからです。
また、小型のバイクではオイルフィルターもありませんので、オイルのメンテナンスはたいへん重要ですし、常用回転数もはるかに高いバイクのエンジンには、早めのオイル交換を心がけることが大切です。
最近は水冷方式のバイクが主流になっていますが、空冷エンジンを搭載しているバイクは特に夏場の熱劣化に対する配慮も必要で す。これらは国産バイクの一般的な車両の場合です。ハーレーダビットソンはエンジン、ミッション、クラッチをそれぞれ別のオイルを使用していますので、すべてのバイクにあてはまることではありません。