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新車の 1000 キロ整備はオーナーが必ず出さなければならない整備で、通常はメーカー系の整備工場が実施します。最近では新車購入後1ヶ月ほどで葉書が届きます。
この時に必ず「オイル交換」をします。「たったの 1000 キロでオイル交換 ??? 」というところですが、 これには正当な理由があります。
エンジンには各部の適切なクリアランスが必要で、金属表面は一見ツルツルのようでも顕微鏡の世界では山や谷があるデコボコ状態です。 初期の運転で、金属表面の山を削り取り、よりなめらかな金属表面にするのが「ならし運転」となります。 このならし運転がメーカーの指定する 1000 キロなのです。
メーカーで基準どうり組まれたエンジンでも生産工程時に発生する金属の「バリ」があります。 最初のオイル交換でこの「バリ取り」もしているわけで、出てきたオイルには無数の金属粉が混じっています。 この時とうぜんオイルフィルターも交換されます。
この 1000 キロ整備を怠ると、金属粉で満たされたままのオイルでエンジンを使用することになり、 エンジン摩耗に対してたいへん悪い影響を与えます。
最近の国産車は新車時の「ならし運転は必要ない」、ともいわれていますが、上記の理由から冷静に判断すれば、初期のならし運転は絶対に必要なことがおわかりになると思います。
余談ですが、2サイクルエンジンはこの初期ならしをキッチリやるかやらないでその後のエンジンの性格を決めてしまうほど重要な要素として、現在でも「ならし運転」が指定されています。
ワンポイント・アドバイス:
車を大切にする人には次のような「ならし運転」を推奨します。
1000 Km まで 最大回転数を 3000rpm ・・・・・ 急発進などの過激運転を慎む
2000 Km まで 最大回転数を 4000rpm ・・・・・ 時々、全開運転も加える
3000 Km まで 最大回転数を 5000rpm ・・・・・ 時々、スポーツドライビングを行う
これで、メニューが完了ですが、3000 Km 走行後にオイル交換を行ってください。 しっかり「ならし運転」を行うと、エンジンの寿命はもちろん、自分のドライビングスタイルに合ったエンジンに仕上げることができます。