その理由は CVTF は一般的な多段式の AT 車に使用される ATF よりも酷使されるためです。
以下にその説明を加えます。
作動中の油温が高い
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多段式の ATF は走行中の油温は約 100℃ ですが、ベルト式 CVT 車の CVTF は約 120℃ ですので、
CVTF は常に高温にさらされています。
- オイルメーカーはこの油温が高いことに着目して、耐熱性の高いベースオイル (HVI) や高価な合成油を
配合して粘度低下の少ない CVT 用フルードを製品化しています。
- しかし、長期間に渡り高温下で使用されると次第に初期の性能を発揮できなくなります。
- つまり、オイルが痛むわけです。そのために、CVTF 交換を早めに実施することをお薦めします。
CVTF は常に「高せん断」と戦っている
- CVT 機構は金属ベルトとプーリーで構成されており、プーリーの直径を変化させることで、ギヤー比を変え、
連続的・無段階に変速しています。
- プーリーとベルトは滑りのないことを理想としています。滑ると動力を伝えることができません。
- 滑らないということは摩擦力が高いことですから、ベルトとプーリーを保護するために CVTF はその接触面で、
激しい高せん断 (強い力でオイル分子を破壊する) と戦っています。
- せん断を受けたオイルは「粘度低下」を起こし、油膜の強度が低下、ベルトとプーリーを摩耗させてしまいます。
このように、CVTF は常に過酷な使用条件下に置かれていますので、多段式の ATF よりも早めのフルード交換が必要となります。
お店の店員さんに薦められると、押し売りのようにも感じますが、上記の2点をご理解いただければ
交換の重要性が解ると思います。
ワンポイント・アドバイス:
CVTF の交換基準は 20,000Km 以内、2年毎に実施していれば良いでしょう。
一般の ATF でも2年または2万キロと言われていますが、それよりも少し早めの交換を心がけてください。