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シングルグレードのオイルは、現在のようにオイル配合技術が進歩する前に使用されていたオイルのことで、ひと昔前のオイルといって良いでしょう。現代では一般に販売されているケースはほとんど見られませんので、入手も困難です。
昔はオイルのマルチグレード化を達成する技術が未熟だったために、秋口になると冬場に備えた粘度の低い「柔らかいオイル」に交換し、春になると夏場に備えて「粘度の高いオイル」に交換する、年2回のオイル交換が必要でした。
しかし、現在ではこれらの手間を解消するため、オイルのマルチグレード化が進みましたので、このようなめんどうな作業はまったく必要なくなったのです。
一例として、10W-40 などのオイルでは冬から夏まで年間を通して使用できます。 このようなオイルのことを「マルチグレード」、別名を「オールシーズンタイプ」と呼んでいます。
現在でも、大型のディーゼルエンジンを搭載している大型トラックや建設機械のディーゼルエンジンにはシングルグレードが指定されています。わが国では「SAE 30」が一般的です。
しかし、今後登場してくる次世代ディーゼルエンジンオイルではマルチグレードが主流となり、シングルグレードのディーゼルオイルは過去のものとなるでしょう。
ごく特殊な場合を除き、ガソリン車でシングルグレードのオイルを使用するケースはほとんどありません。今でも使用しているのは、空冷エンジンを搭載しているフォルクスワーゲン・ビートルぐらいです。
したがって、現在ではシングル・グレードのモーターオイルを製造しているメーカーもごくわずかとなってしまいました。
外国のオイルメーカー(特に米国)は今でもシングル油を持っている場合が多いですので、シングルグレードを探す場合の参考にしてください。