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ブローバイガスはエンジンの下部(クランクケース)と上部のヘッドカバー内部の両方から常に発生しています。
このガスはエンジン内部にスラッジやワニスの生成を促進させるやっかい物ですので、排気ガス規制前はエンジンの外に捨てていました。しかし、別名を「未燃 焼ガス」と呼ばれるところから、人体に有害な物質を多く含みますので、現代のエンジンは全て吸入管に戻し再燃焼させています。
ブローバイガスは圧縮・燃焼時にピストンやリングの隙間をすり抜けて発生する場合と、バルブとシートの隙間からもれる2つの原因が考えられます。 現代の最高技術を投入してもブローバイガスを完全に防止することはできません。
ご質問には「ブローバイが増えた」とありますので、一般車両ではないレース用に改造された車か、レーシングカーの場合と思われますので、以下に解説を加えます。
レース車両はブローバイパイプを吸入行程と切断し、ホースを別のオイルキャッチタンクに導きます。
ブローバイの中にはミスト(霧状)のオイルも存在しますので、専用タンクでオイルを受け、サーキット路面にオイルが出ないようにレギュレーションで決められています。
レーシングエンジンはフリクションロスを極力少なくする目的で、各部の隙間を量産車より大きくとる場合がありますので、市販車両よりブローバイは多く発生します。
ブローバイが増える原因は、エンジン内部のパーツの破損やクリアランスの増加に起因する場合と、入れ替えたオイルの洗浄性が高く、各部の隙間に存在していたスラッジなどを洗い流したことが考えられます。
パワーダウンを伴っている場合は各部の摩耗も進んでいると思われますので、一度コンプレッションの計測をしてみてください。
パワーダウンもなく、コンプレッションも正常であればそれほど心配する必要はありません。 この場合でもオイルを入れすぎていないか確認する必要があります。
また、以前に使用していたオイルより極端に柔らかい(粘度の低い)オイルを使用した場合にもブローバイの増加が考えられます。
キャッチタンクのオイルの量を常にチェックするのは良い方法です。オイルの溜まる量でエンジンのコンディションも判断できますのでたいへん重要な項目です。