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オイルの粘度(粘りけ)を表しており、正式には SAE 粘度グレードと呼びます。 SAE とは Society of Automobile Engineers「米国自動車技術者協会」のことで、自動車に使用されるオイルの粘度を規定しており、世界的に最もポピュラーに使用されています。
例えば、10W-40 などの 10W の「W」とは冬場の Winter の頭文字を取ったもので、寒冷時のオイルの粘りけを「10」という単位で表しています。 この数字の数が小さければ小さいほど低温時にサラサラした「粘度の低い」オイルとなります。
ハイフンでつながれた「40」という右側数字の意味は、夏場の高温側の粘度を表す数字で、この数字が大きければ大きいほど高温時におけるオイルの粘りけが強い「粘度の高い」オイルとなります。
現在市販されている粘度分類の代表的な種類は下記のとおりです。
低温側粘度 高温側粘度
0W 20
5W 30
10W 40
15W 50
20W 60
25W
低温時を想定した使用環境では 0W は「-35℃」、5W は「-30℃」、10W は「-25℃」まで使用できます。
我が国で使用するならば「10W」で充分です。
これらをハイフンでつなげると 0W-20, 5W-50, 10W-30, 15W-40 などの組み合わせができ、これらのオイルは冬場から夏場までオールシーズンで使用できるオイルのことを意味しており、マルチグレードと呼ばれています。
参考までに 5W-50 など、低温側の数字が小さく、高温側の数字の大きいオイルのことを「ワイドレンジ」と呼んでいます。このワイド化を達成するには高度な技術力が要求されますので、比較的高価な高級オイル(合成系)にメーカー各社がラインナップしています。
低温側粘度が低ければ(0W や 5W)寒冷地でのエンジン始動性に優れたオイルとなり、高温側粘度が高ければ(40 や 50)夏場の渋滞などの高温時にも耐えるオイルということになります。
マルチグレードを考案したのはアメリカ。比較的気温の高いメキシコなどから、夏でも寒くなるカナダへ行くときなど、オールシーズンタイプのマルチグレードオイルなら安心なわけです。